フランス流 子どもとの関わり方

フランスでの初めての育児、唯一の不安要素は、旦那以外の家族が周りに居ない事だった。

30年しか生きていない私の人生訓、価値観だけで、しかも外国で、子どもを育てなくてはならないプレッシャーがあった。

2.3歳になった長女の育児をしているとやはり上手くいかない事が多々有り、彼女の祖父母はこういう時、どういう方法で叱るのだろう・・・。

親以外の価値観で子どもを導いてくれる存在は絶対的に必要だな。

寒く、曇り空の多いフランスの一部屋で、いつもそれを考えていた。

子どもに対するフランス人の振る舞い

そんなある日、長女と買い物に出かけていると、スーパー内の出口付近で、商品を入れた袋が破けて床に散乱。

慌てて拾っていると隣に居た長女が外に出ようと出口に向かって走っていく。

一瞬パニックになりかけたその時、近くに居たマダムが長女を引き止めてくれた。

そして、長女に向かってどれだけ危ないのかを説明している。

話が終わると私に優しくウインクだけしてスーパーを出て行った。

 

また別の日は、公園で長女を思いっきり押して転ばせた男の子に、これまた近くに居た「誰かのパパ」がすかさず注意をする。

道を歩いていても、子どもが母親から離れて先へ行くと通行人が子どもを優しく注意する。

なんだろう、この皆で子どもを見守ってくれている安心感。

しかも、注意をする対象は「親」では無く、伝えるべき「子ども」である。

親の責任とは?

公園で長女の顔に砂を投げつけた子がいた。近所でもお馴染みの暴れん坊君。

すかさずベンチで見ていたであろうママがその子に静かに注意をしに来た。

そしてその男の子が長女に謝った。

私は何も出来ず、その人はただ静かに向こうへ去っていった。

 

おや?「親同士は何も話す事が無い。」

 

日本だったら、親同士も「ごめんなさいね~」のような会話が起きる気がする。

その一連の流れを見ていた、フランス人のママ友が

「あの子はやっと謝れるようになったね(今まで出来なかったのに)」と一言。

そうそう、いつも暴れん坊でごめんなさいが言えなかったよな~。

 

ああ、親が子どもの社会に介入しない事で、子どもが成長するんだよな。

今まで、私が謝ることによって、わが子の成長を妨げていたな。

子どもの問題は子どもの問題。

子どもの社会に親は介入しない。

自己責任の国フランス。

 

親同士の面子の為に、子どもの成長を妨げる事はひとつも無い。

大人も育てられる社会

私が公園デビューをして、一番衝撃的だった出来事がある。

 

公園で遊んでいると、敷地内を身長180センチ超えの16,7歳ぐらいのいかつい少年がスクーターで走り抜けた。

それを遠くから見ていた私の隣にいたフランス人女性は、

携帯で電話中だったのにも関わらず

「赤ちゃんや子どもが横切るこの敷地内で走るなんて常識が無い!危険だと思わないの?」

とものすごい剣幕で大声で注意をする。

「前みて子どもが居ないから通っただけだよ」

「ほらごらん、ここに子どもいっぱい居るじゃない!あなたの行動は問題外!!」

いかつい少年の何倍もの勢いで注意するおばさま。

周りも「そうだそうだ!」と援護して詰め寄る。

エンジンを切ってしょんぼり歩くいかつい少年。

 

少年の良心に何かが残った瞬間。

 

そうやって社会が子どもを育て、大人は自覚を持ち、正すことによって大人自身も育てられる。

何、この環境、子育てし易い。

あの心配の日々は何だったのだろう。

人のせいにも学校のせいにもしない。

周りの全ての大人の行動次第。

しかし、興味深いのは、全てが子どもが主体かというとそうでは無く、

どちらかというと、

大人が主体で、大人社会の真実を軸に子どもをちゃんと教育するといった感じを受ける。

それ故、子ども達は、ちゃんと真実を正論で正してくれる大人に敬意を持っているのが分かる。

そして大人は自分達が人生を謳歌する為に自分で責任を持って行動する。

法律やルールではなく、「大人の良識ある行動=社会の目」が抑止力になって社会の秩序が保たれているのを肌で感じる今日この頃。

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