フランスの飛び級、留年制度をどう捉えるか

フランスでの生活は毎回私の中の常識を打ち砕いてくれるが、その中でも何よりも驚いた事がコレ。

「幼稚園から飛び級や留年制度がある」という事。

幼稚園や小学校から留年!!??日本生まれ日本育ちの私は衝撃しか受けない。

しかし、フランスの文化は「留年」を決してマイナスに捉えているわけではなく、「能力に応じてその子に合った教育を受ける」という考え方が基礎になっているらしい。

ママ友達に話を聞くと、これが結構よくある話で、一学年に7.8人留年することもあるらしい。

学ぶ側には個性がある

我が家は子どもが3人いて、現地校に通っている。

旦那も日本人なので、家での会話は100%日本語を使う。

フランスで産まれたけれど、日本の国籍を持った日本人。

私も日本語を母国語で育てたいと考えていたので、フランス語は第二言語のような感じ。

家でずっと日本語で生活してきて、3歳で幼稚園に入ると急にフランス語の社会に突入するという流れ。厳しい世界が待っている。なので、留年制度、「あ、きっと我が家にも降りかかってくるであろう問題だな。」と多少の不安を頭の片隅に置いたままの長女の入学となった。

幼稚園で年中になった際は、やはりクラスについていけない時期があり、担任の先生の計らいで放課後に補修を受ける機会をもらえた。この担任と年長の担任がとても親身になってくれ、彼女は晴れて小学校に問題無く入学できた。

その頃から、「理解出来ていないのに次に進むというのは子どもにとって負担だな」と考え始め、本当に長女がフランス語を理解していないので有れば、留年して学べるのは逆に有難い事だなと思うようになってきた。

子ども達の捉え方

長女が小学校1年生の頃のクラスメイトで仲良くなった子も1年生を留年した子だった。

家族で我が家に遊びに来るようになり、ふと長女と彼女が2人揃って並んだ際に彼女の身長がかなり大きくて、「大きいね~」と話をしている時に年齢が1つ上だと判明した。

長女ももちろん知らなかった。

あ、本当だ。普通に留年している子いるんだな~。

子ども達にとって、仲良くなるのに年齢は関係無いのだろうな。

また、3年生になる長女のクラスでは今年は2人留年した子がいるらしい。彼女の話ぶりを聞いていても、クラスでの差別なんてものは全く感じられず、先に学んでいるから色々教えてもらえ、頼りになる存在らしい。

そうだよな~。誕生日が一日ずれるだけで学年が区切られる事を思うと、なんだか学年にこだわる理由がわからなくなってくる。

学びには段階がある

我が家のように移民の子の留年が多いのかと思えば、単純にそれだけでは無いようだ。

フランスでは小学校1年生が準備期という位置づけで、フランス語の読み書きや、算数の基礎を徹底して学ぶ。

そしてその後2年生・3年生は初級期で基礎教育、4年生、5年生は中級期で、発展教育といった感じ。なので、小学校1年から2年生に上がれずに留年という子も多いとか。

徹底した学びの段階があり、理解をしていない子に階段を上らせることはしない。

飛び級・留年の判断は先生と親の協議

学校の年度末に日本でいう「よいこのあゆみ」が配布される。

成績が段階ごとに評価されており、生活態度や学校での様子も考慮に入れたコメントも有る。

飛び級するのか、次に上がるのか、留年をするのか、年度の中間に先生側からの一度目の打診がある。

学期末に二度目の最終確認があり、親が承諾すると最終決定となる。

ただ、親が飛び級を希望する場合もあれば、逆もしかり、親がもっとちゃんと理解させたいからと留年を希望する事もあり、学校側と親との協議で決まるらしい。そこはけっこう柔軟に対応してくれるようだ。

なんだか、飛び級・留年が一生を左右する・・・といった雰囲気は皆無で、制度を合理的に利用しているように感じる。

飛び級留年制度は、はたして効果的なのか

留年したらやる気が無くなり、落ちこぼれになる可能性があるから、補習を徹底すべきだとか、地域差が出てしまうのではないか等の議論は今でも盛んにあるようだ。

ただ、飛び級留年制度があまりにも「フランスの常識」過ぎて、子ども同士は留年しようが、飛び級しようが、誰も何も気にしない。

そして親側も本当に子どもの為になるのはどういう方法かと、模索しているのが分かる。

知り合いの弁護士、プログラマー、学校の先生、彼らも漏れなく留年している。友人の会計士に至っては3回の留年を経験している。

私は移住して9年、始めは驚きしかなかったこの制度も、日本的な考え方とフランス式の合理主義の考えを上手く消化吸収させると、飛び級・留年制度の利点も、そして問題点もよくわかる。

社会に出ると、個性によって働き先が決まり、能力によって評価される。

そして、年齢関係なく友人を選ぶ。

本来、学びとは楽しいものであるはずだ。

大人のやり方一つで、子どもは変わるのかもしれない。

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